病気のはなし
アルツハイマー病
瓦林 毅
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科神経病態内科学
pp.630-637
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100938
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サマリー
アルツハイマー病(Alzheimer's disease,AD)は,一度発達した知能がアミロイドβ蛋白質(amyloid β protein,Aβ)とタウの蓄積に伴って緩徐進行性に障害される疾患である.Aβの蓄積がリン酸化タウから成る神経原線維変化や神経細胞死などの病変を引き起こして痴呆を発症するというアミロイドカスケード仮説が広く信じられている.ADの治療薬としてアセチルコリンエステラーゼ阻害薬が登場し,早期に投与するほど効果が高いため,ADの早期診断の必要性は高まっている.MRIによる側頭葉内側の萎縮の測定,脳血流シンチやPETによる後部帯状回や楔前部の血流・代謝の低下,脳脊髄液でのAβ42の低下とタウおよびリン酸化タウの増加がADの早期診断に用いられている.
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