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あとがき
手島 伸一
pp.1196
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102996
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先日,某学会の一般演題(症例報告)の発表の準備をしていたところ,手伝ってくれていた中堅の技師がまじめな顔つきで「先生のお知り合いが学会長を主催されておられ,また御友人達が特別講演などをされておられるのに,先生はそんなにまでして対抗して目立ちたいのですか?」と突然質問してきました.質問の真意がつかめなかったので尋ねると,「先生の立場(検査科の長)では一般演題や症例報告をだすのはおかしい,そのような演題は若い未熟な者が出すものだ」,と考えているようです.私は苦笑してしまいました.「自分の一番尊敬する先生は80歳を超えても一般演題をだしていたよ.もっとも周囲には大きな迷惑をかけていたけれどもね.自分もできればそうなりたいものだ.皆もどんどん演題を出そう」と答えたところ,相手は「あきれた!」という顔をしていました.学会発表に限らず,一般に臨床検査技師のほうが医師よりも,若い年齢のうちから,日常業務のみに埋没してしまう傾向が強いように思われます.どのような職種や立場であっても,私たちは医療人であるかぎり,生涯勉強し,機会があれば,学会ほかで自分の考えを述べて,向上して行きたいものです.
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