コーヒーブレイク
ブランチラボから自主運営回帰―第1回 立志編
木村 浩則
1
1市立柏病院検査科
pp.1137
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102995
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医療氷河期,一寸先さえ見えない医療の世界,私たちはそんな真っただ中にいる.経済不況の悪化もあり,病院の閉鎖や民間への譲渡が相次ぎ,病院経営は最悪の事態である.こんな激動の時代に,検査室が良質な医療の提供と健全な経営基盤の確立を目的として立ち上がり,ブランチラボから自主運営奪回に至るまでのお話をしたいと思う.
私は25年前,大学卒業と同時に千葉県にある公立病院に就職をした.1985年当時は,バブルの前であり,病院が倒産することなど到底想像しがたい時代に,地方公務員として平穏な日々を送っていた.その公立病院は一般病床630床,外来が1,600人ほどの県内でも有数の地域基幹病院だった.検査技師が40数名を数え,終身雇用,年功序列至上主義のもと,あと何年で昇進だ,管理職だと指折り数えている上司たちがワンサカいた.公務員という地位に異常なプライドをもち,上下関係には厳しかった.その頃の主任たちは部下を4~5名抱え,お山の大将と言うべく部下には強く,上司にはペコペコしていた記憶が今も鮮明に残っている.毎年のように新人技師が数名ほど入職し,高額機械が買える良い時代でもあった.
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