技術講座 生理
―ステップアップのための画像診断入門・4―腹部領域のMR診断
磯田 裕義
1
,
有園 茂樹
1
,
嶋田 功太郎
1
,
柴田 登志也
1
,
富樫 かおり
1
1京都大学放射線医学講座画像診断学・核医学
pp.397-401
発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102808
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新しい知見
腎性全身性線維症は,皮膚における結合組織の過形成を特徴とする稀な疾患であり,皮膚の肥厚と強直が特徴である.骨格筋,肺,肝,心などの臓器や組織の線維化もきたす.患者の5%は急速に進行する劇症型の臨床経過をたどり,死に至る場合もあるとされる.原因は明らかではないが,過凝固,抗リン脂質抗体症候群,深部静脈血栓症,代謝性アシドーシス,外科あるいは血管内治療が関与しうるとされる.本症の発症とガドリニウム含有造影剤の関連も指摘されており,重度の腎機能障害を有する患者や透析患者でガドリニウム含有造影剤を投与した症例に多いと報告されている.
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