増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学
VI 病理
各論
1 代謝異常の病理
佐藤 冬樹
1
,
近藤 潤
1
,
鈴木 貴弘
1
,
諸橋 聡子
1
,
鬼島 宏
1
1弘前大学大学院医学研究科病理生命科学講座
pp.1234-1237
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102626
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はじめに
細胞はさまざまな因子によって傷害(細胞傷害)を受け,その形態や機能に変化をきたす.細胞傷害に対して,細胞が適応可能な場合,萎縮や変性と呼ばれる現象をきたすが,細胞傷害の程度が強度もしくは長期的な場合は,細胞死に陥る.細胞死には壊死とアポトーシスがある.病理学では,このような細胞傷害における形態学的な特徴を把握することで,生体内の機能異常を把握することがき,疾患の解明に重要な情報源となりうる.組織の形態異常は,肉眼的に観察し,組織学的にみることで,はじめてわかるものまでさまざまであるが,本稿では,主に組織レベルにおける形態異常の見方,特に萎縮,変性,壊死,アポトーシスについて概説する.
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