病気のはなし
全身性IgG4関連疾患
山本 元久
1
,
鈴木 知佐子
1
,
高橋 裕樹
1
,
篠村 恭久
1
1札幌医科大学医学部内科学第一講座
pp.610-616
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102476
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サマリー
全身性IgG4関連疾患(systemic IgG4-related plasmacytic syndrome,SIPS)は,高IgG4血症と病変腺組織中の著明なIgG4陽性形質細胞浸潤を特徴とする全身性の慢性疾患である(図1).涙腺,唾液腺,甲状腺,肺,膵臓,腎臓,前立腺などが炎症の標的とされうる.硬化性病変・腫瘤形成性病変による機能障害を呈することがあり,多くはステロイド剤が奏効する.従来のミクリッツ病(Mikulicz's disease),キュットナー腫瘍(Kuttner's tumor),自己免疫性膵炎,間質性腎炎の一部などがこれに包括されると考えられ,各領域において疾患の定義およびカテゴリーの見直しが始まっている.
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