私の一推し免疫染色
α-インヒビン染色
松本 俊治
1
,
藤井 博昭
2
,
荻島 大貴
3
1順天堂大学医学部人体病理病態学講座
2順天堂大学医学部病理・腫瘍学講座
3順天堂大学医学部産婦人科学講座
pp.418-419
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102073
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症例
57歳の女性.画像診断で膵腫瘍の胃壁浸潤が疑われ内視鏡検査が行われた.胃内に,やや隆起し中央に潰瘍形成を伴う腫瘍が認められ,腫瘍部から生検がなされた.腫瘍の組織像は,細胞質が高円柱状で淡明な腫瘍細胞が軽度の細胞異型を伴い索状構造を主体に増生する所見を示した(図1-a,b).通常の膵癌とは組織像が異なり,4年前に卵巣のセルトリ・ライディッヒ細胞腫で卵巣切除術が行われていたことから,卵巣腫瘍転移を疑い,前回手術された卵巣腫瘍との比較検討とα-インヒビン染色(Oxford Bio-Innovation Ltd., Oxfordshire, UK)(1:20:熱処理にて抗原賦活化)を行った.
卵巣腫瘍は中分化型のセルトリ・ライディッヒ細胞腫で腫瘍細胞はα-インヒビン染色陽性を示した(図2-a~c).胃腫瘍は卵巣腫瘍と類似する組織像を示し,また胃腫瘍細胞もα-インヒビン染色陽性を示した(図1-c).
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