特集 ホルモンと生理活性物質
各論
8.性腺ホルモン系
7)インヒビン,アクチビン
定月 みゆき
1
,
堤 治
1
,
武谷 雄二
1
Miyuki SADATSUKI
1
,
Osamu TSUTSUMI
1
,
Yuji TAKETANI
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
pp.182-184
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902217
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生合成・分泌・機能
インヒビン(inhibin),アクチビン(activin)は下垂体前葉からの卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を調節するホルモンとして卵胞液中から発見された物質である.インヒビンは,下垂体前葉からのFSHの産生と分泌を抑制する分子量31,000~32,000の糖蛋白である.134個のアミノ酸から成るαサブユニットと116個(βA)または115個(βB)のアミノ酸から成るβサブユニットとのヘテロダイマーである(図1).これに対しアクチビンはβサブユニット同士のホモダイマーで(図1),FSH分泌促進作用を有することが知られている.
インヒビンは,女性では卵巣の顆粒膜細胞,黄体細胞,胎盤で産生されており1),男性では精巣のSertoli細胞で産生されている2).アクチビンは初め卵胞液中から発見され,その産生部位は顆粒膜細胞と考えられている.男性では,精巣のLeydig細胞で産生されることが報告されている4).
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