増刊号 メタボリックシンドローム健診検査技術マニュアル
総論
2. 新しい健診体制と臨床検査
渡辺 清明
1
1国際医療福祉大学三田病院検査部
pp.1007-1014
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101867
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はじめに
2008年4月から,今までの健診とは違った新しい健診が施行される.このなかでは,特にわが国の死因の1/3を占める生活習慣病の予防が重点的に行われることになった.これを徹底させる目的で,2008年4月から医療保険者に対して糖尿病などの生活習慣病に関する健康診査(これを特定健診と呼ぶ)および特定健診の結果により,健康保持に努める必要がある者に対する保健指導(これを特定保健指導と呼ぶ)の実施を義務づけることとなった.
そして,生活習慣病予防のターゲットとしてメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が取り上げられ,この予防を中心とする特定健診の標準的プログラムが厚生労働省で構築された.具体的には,厚生労働省健康局において「標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会」が設置され,健診の基本項目設定,保健指導の階層化の方法,検査判定値,検査の精度管理,保健指導の方法などの標準的な健診および保健指導のプログラムが検討された.約1年強の間の検討の結果,中間的に「標準的な健診・保健指導プログラム」の暫定版1)が作成され,それがさらに修正されて最終的に2007年4月に「標準的な健診・保健指導プログラム」の確定版2)が作成された.現在のところ,この確定版に記載されている事象を核にして2008年度から特定健診が実施されることになっている.
本稿では新しい特定健診のエッセンスである「標準的な健診・保健指導プログラム」の内容を簡単に解説し,さらに臨床検査に関連する事象を中心に述べる.
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