特集 産業医の新たな体制と活動
新しい産業保健体制
古木 勝也
1
,
三觜 文雄
1
1労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課
pp.353-355
発行日 1998年5月15日
Published Date 1998/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901887
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
平成8年度のわが国の職業性疾病による発生状況は9,250人と,10年前の約3分の2まで減少した.しかしながら,依然として腰痛などの負傷に起因する疾病や,じん肺症,酸素欠乏症などの重度の健康障害を引き起こす疾病,さらに有機溶剤中毒,一酸化炭素中毒などの急性中毒も跡を絶たない状況である.
また一方,最近における労働者の健康をめぐる状況をみると,高齢化の進展などにより脳,心臓疾患につながる所見を有する労働者の割合の増加,仕事や職場生活で悩み,ストレスなどを感じる労働者が増加している.さらに「過労死」が大きな社会問題となっている.このような状況を踏まえ,すべての労働者が職業生涯を通じて,健康で安心して働くことができるように労働者の健康確保対策を充実強化するため,平成8年に労働衛生管理体制の充実,職場における労働者の健康管理の充実を内容とする労働安全衛生法の改正が行われたところである.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.