病気のはなし
肺真菌症
高橋 英気
1
1東京都老人医療センター呼吸器科
pp.912-916
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101839
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サマリー
一般的に真菌は病原性が低く,多くの場合全身性・局所性免疫機構の破綻によって生ずる日和見感染症である.近年,後天性免疫不全症候群(acquired immune deficiency syndrome, AIDS),臓器移植,副腎皮質ホルモン・免疫抑制剤による免疫不全患者の増加や,抗菌剤長期投与の菌交代現象を背景として肺真菌症が増加している.診断の基本は喀痰や気管支肺胞洗浄液などからの病原真菌の証明であるが,血清中の真菌特異抗原を測定するキットが開発され臨床的に汎用されている.治療法もアムホテリシンBに代わって,比較的副作用の少ない抗真菌薬が多数登場している.
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