増刊号 包括医療と臨床検査
第2章 各論―疾患の診断治療のために最小限必要な検査
23.糖尿病
富永 真琴
1
1山形大学医学部臨床検査医学
pp.1085-1090
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101577
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外来で糖尿病を疑ったときに必要な検査
1 . 糖尿病が疑われる場合
有病率の高い疾患である糖尿病は臨床のさまざまな場面で疑われる.糖尿病に特有で典型的な口渇,多尿,多飲,体重減少,全身かん怠感などの症状を呈して外来を訪れるものも時にはありうるが,むしろ稀である.外来を訪れる患者の多くは検診などで糖尿病が疑われ,そのために受診することが多く,症状は全くないほうがむしろ多い.また,腎症や網膜症が既に存在しその症状のため外来を受診するなど,自覚症状があったとしても合併症の症状の場合もある.フルンケルやカルブンケルなど感染症の重症化があり,その易感染性の背景に糖尿病の存在が疑われることもある.また,虚血性心疾患などがありその背景にあるリスクの1つとして糖尿病が疑われることもある.
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