Laboratory Practice 生化学 これからの臨床協力業務事例集
栄養サポートチーム(NST) その3 栄養アセスメント蛋白質測定の退院判断基準の設定のしかたの例
望月 照次
1
,
田口 和三
2
1昭和大学病院臨床検査部
2昭和大学藤が丘病院臨床病理科
pp.1368-1369
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100880
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- 文献概要
国民医療費の抑制策により医療機関における医療収入が年々低下し,収入減に対する医療経費の削減は重要な課題となる.特に入院日数の延長は医薬品,医療材料,看護師など人件費,消耗品などの経費が増加し病院経営に多大な影響を与える.そこで,医療経費削減策の一つに入院日数の短縮がある.入院患者の早期退院を図るには退院後の患者が日常生活に支障をきたさない良好な栄養状態を客観的判断できる科学的根拠,すなわちEBM(evidence-based medicine)に基づく退院の判断基準が必要である.血漿中の栄養アセスメント蛋白質濃度の測定は退院の判断基準の一つとして期待できる.栄養アセスメント蛋白質の種類と特徴1)を表に示した.
栄養アセスメント蛋白質測定の意義
栄養アセスメント蛋白質測定の意義は,(1)患者の栄養状態の客観的把握,(2)栄養状態改善の判断と治療指針の確立,(3)EBMに基づく退院の判断基準,(4)早期退院の促進(平均在院日数の短縮),(5)医療経費の削減(病院・患者の経済的負担の軽減)などが挙げられる.患者の栄養状態の客観的把握と治療指針の確立には栄養アセスメント蛋白質の測定は有用である.
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