増刊号 細胞像の見かた―病理・血液・尿沈渣
第2章 血液 骨髄塗抹標本の見かた
7.FAB分類
3)L1~L3
清水 長子
1
1慶應義塾大学病院中央臨床検査部
pp.1168-1171
発行日 2004年9月15日
Published Date 2004/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100814
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はじめに
急性白血病は,血液細胞の腫瘍であり骨髄中で腫瘍性に増殖する疾患である.
大きく急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia,ALL)と急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia,AML)の2群に分けることができ,ALLは未熟なリンパ球系芽球の腫瘍性増殖をきたす疾患である.
FAB(French American British)分類1)ではALLとAMLの区別は,芽球のペルオキシダーゼ反応で区別されペルオキシダーゼ反応陽性芽球が3%未満のものをALLとする.しかし,一部のAMLのうちでペルオキシダーゼ反応陰性の疾患もあるためALLの確定診断には,芽球の表面形質2,3)での確認が必要である.
ALLは塗抹標本の形態特徴によりL1~L3の3型に分類される.1981年に一致率の向上のためにscoring systemが加えられた4).
表1に細胞の特徴を示した.
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