Laboratory Practice 血液:骨髄塗抹標本の見かた
FAB分類 [3]急性リンパ性白血病(L1~L3)
清水 長子
1
1慶應義塾大学病院中央臨床検査部
pp.416-419
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101404
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
急性白血病は,血液細胞の腫瘍であり骨髄中で腫瘍性に増殖する疾患である.
大きく急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia;ALL)と急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia;AML)の2群に分けることができ,ALLは未熟なリンパ球系芽球の腫瘍性増殖を来す疾患である.
FAB(French American British)分類1) ではALLとAMLの区別は,芽球のペルオキシダーゼ反応で区別されペルオキシダーゼ反応陽性芽球が3%未満のものをALLとする.しかし,一部のAMLのうちでペルオキシダーゼ反応陰性の疾患もあるためALLの確定診断には,芽球の表面形質2,3) での確認が必要である.
ALLは塗抹標本の形態特徴によりL1~L3の3型に分類される.1981年に一致率の向上のためにscoring systemが加えられた4).
表1に細胞の特徴を示した.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.