コラム
ビタミンCと尿検査
永峰 康孝
1
1徳島大学病院診療支援部
pp.1312
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100301
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ビタミンC は還元性を有する抗壊血病因子で,化学名も抗壊血病(anti-scorbutic)を基にアスコルビン酸(ascorbic acid,以下AsA)と名付けられた.ノーベル賞受賞者L. Pauling が風邪の予防や癌の発育抑制にAsA のグラム単位の大量投与(摂取)を推奨したのを機にAsA の大量投与がブームとなった.これらの説は明確なエビデンスが十分得られていないが,AsA は水溶性で過剰摂取による副作用がなく,安価なため,現在もブームは続いており,尿検査では高濃度のAsA を含む被検尿がつねに存在しうることを留意しておく必要がある.
AsA はγ-ラクトン環に組み込まれて安定化したエンジオール基により強い還元力を有する.そのため,AsA が多量に存在すると,尿試験紙検査ではブドウ糖,潜血,亜硝酸塩,ビリルビンにおいて偽陰性となることがよく知られている.
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