医学の話題
ビタミンCの新しい作用
杉 靖三郎
pp.57-59
発行日 1955年10月1日
Published Date 1955/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200936
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ビタミンCは,緑いろの野菜や果物,茶などに多量含まれていて,それが壊血病を治す効果のあることは誰でもが知つていられるとおりです.そして,このビタミンCが不足すると壊血病をおこす,ということもどの教科にも書いてあるので,ごぞんじだと思います.
ところが,この壊血病--歯ぐきから血がでたり,皮膚から出血したりする,出血性の病気--が,ビタミンCの欠乏によつて,すぐにおこるか,というと,人間では,実際にはなかなか起りにくいのです.人間では,半年も1年以上も,ビタミンC欠損食事を与えても,壊血病はおこらないことが,実験的にたしかめられています.
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