原著
ビタミンC缺乏早期發見法に關する研究—特にビタミンC飽和度の標示としての血漿内ビタミンC量に就て
中川 一郞
1
,
大口 ちか子
1
1公衆衞生院小兒衞生研究室
pp.121-126
発行日 1947年8月25日
Published Date 1947/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200165
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ビタミンC(以下V. Cと略記)飽和度判定の標示として,血液殊に血漿内V. C量の測定は,尿中V. C定量,インドフェノール皮内反應等と共に廣く用ひられて居る所である。著者及び共同研究者等も,此の方法の判定法としての價値竝に前述の他の判定方法との關係に就て,既に幾度か考察を行つて居る。今囘はV. C抗與による血漿内V. Cの動搖に就て,更に詳細に檢討を行つて見た。尚,V. C飽和度判定の目的には從來還元型V. Cの定量が行はれてゐるが,著者等は同時に酸化型V. Cの定量をも行ひ,V. C抗與と之の動揺との關係をも追求した。尤も本實驗より以前に,既にPlant及びBülow1)はV. C抗與と還元型,V. C酸化型との消長に就て報告して居り,それによると血漿内には普通には還元型V. Cを認めざるも,V. C負荷後の増量は大部分還元型V. Cであるというて居る。
(1)Plant, F., aud Bülow, M.:Z. f. physiol. Chem., 236:241, 1935.
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