特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
免疫学的検査
感染症関連検査
ウイルス関連検査
C型肝炎ウイルス関連検査
伊藤 敬義
1
,
打越 学
1
,
井廻 道夫
1
1昭和大学医学部第二内科
pp.364-366
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101832
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)は,1989年に米国Chiron社のChooらによりHCV遺伝子断片のクローニングが行われ1),後述するC100-3抗体の測定により非A非B肝炎の病原ウイルスとして同定された.HCVに感染すると,肝細胞内で複製されたHCVがHCV粒子として血中に放出される.HCVは全長9,600塩基の一本鎖(+)RNAウイルスであり,感染早期からHCV-RNAが検出される.
HCVは他のウイルスと比較してウイルス量が少なく,ウイルス核酸を検出するためにRT-PCR(reverse-transcription polymerase chain reaction)法が行われている.これは,逆転写酵素を用いてHCV-RNAの一本鎖cDNAを合成し,これを鋳型(template)としてPCRで増幅して検出する方法である.HCV-RNAの陽性は現時点でのHCVの感染(HCV血症)を意味する.また,PCRを用いて後述するHCV-RNAの定量やグルーピングも行われている.
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