特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
免疫学的検査
感染関連検査〈ウイルス関連検査〉
C型肝炎ウイルス関連検査
伊藤 敬義
1
,
宮下 みゆき
1
,
井廻 道夫
1
1昭和大学医学部内科学講座消化器内科学部門
pp.379-381
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104799
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)は,1989年に米国Chiron社のChooらによりHCV遺伝子断片のクローニングが行われ1),C100-3抗体の測定により非A非B肝炎の病原ウイルスとして同定された.HCVに感染すると,肝細胞内で複製したHCVがHCV粒子として血中に放出される.HCVは全長9,600塩基の一本鎖RNAウイルスであり,感染早期からHCV RNAが検出される.
HCVはほかのウイルスと比較してウイルス量が少なく,ウイルス核酸を検出するためにRT-PCR(reverse-transcription polymerase chain reaction)法が行われている.これはHCV RNAを逆転写酵素を用いてcDNA合成し,これを鋳型(template)としてPCR増幅し検出している.HCV RNA陽性は現時点でのHCVの感染(HCV血症)を意味する.また,リアルタイムPCR法を用いたHCV RNAの定量検査が行われている.
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