Japanese
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Current Opinion
人工酸素運搬体
Artificial Oxygen Carriers
川口 章
1
Akira Kawaguchi
1
1東海大学大学院医学研究科再生医療科学
1Cell Transplantation and Regenerative Medicine, Tokai University School of Medicine
pp.1275-1280
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101171
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人工酸素運搬体をめぐる最近1年間の話題
[1]はじめに
大気から体表を通して酸素を摂取する動物は,酸素の拡散効率に制限され直径1.3mmより大きくなることはできない1).心・血管・血液からなる循環器を持つことで酸素運搬効率を良くした動物は飛躍的に大型化し行動範囲も拡大した.その一方で,どの要因が機能しなくなっても生存できなくなる危険と隣り合わせでもある.心(ポンプ)不全に対しては補助循環,血管(回路)狭窄にはバイパス手術などの治療法が確立されているが,最後の共通経路である酸素運搬体については何の治療法もない.「呼吸と循環」が果たす機能の最終リンクとしての血液について研究が遅れているのはなぜだろうか?
本稿では2007年10月の国際人工臓器学会でのArtificial Oxygen Carriersシンポジウムでの発表に基づいて,人工酸素運搬体の現況を述べ,今後の展望を紹介したい2).
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