Japanese
English
綜説
酸素運搬体としてのFluorocarbon Emulsion—(Ⅱ)イヌにおける交換輸血について
Fluorocarbon Emulsion as the Transporter of Oxygen. : (Ⅱ) Exchange of Blood in Dogs
大柳 治正
1
,
山下 修一
1
,
関田 幹雄
1
,
杉原 俊一
1
,
松本 邦彦
1
,
石井 明憲
1
,
奥村 修一
1
,
白川 勝
1
,
光野 孝雄
1
Harumasa Oyanagi
1
1神戸大学隆学部第1外科
11st Dept. of Surgery, Kobe Univ. School of Med.
pp.380-386
発行日 1974年5月15日
Published Date 1974/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202623
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1968年Geyer1)らがfluorocarbon (以下FC)乳剤でラットの全血交換を行ない8時間生存させて以来,血液ガス運搬という面だけよりみれば,FCは約20vol%の乳剤で血液の代りをしうることが判っているが,ほぼ同時に行なわれたSloviterら2)によるマウスの全血交換成功例とともにこれらはただ動物が生存しえたという点に主たる意義があり,その時の循環動態その他は次の研究に待たねばならなかった。
またイヌにFC乳剤を注入しての循環動態をみた1970年Clarkら3)の実験は非脱血状態においてであり,FC乳剤がほんとに生体に必要なときに酸素を運んでいる時の循環動態をみた報告はほとんどなかった。私どもは前述4)の基礎的な成績をふまえて,急速脱血後にFC乳剤をイヌに投与した時の血液ガス像,循環動態を研究し,興味ある知見を得たので報告する。
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