技術解説
細菌検査における検体採取から提出まで
高橋 昭三
1
1東京大学医学部細菌学
pp.988-990
発行日 1966年10月15日
Published Date 1966/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917063
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どれほど立派な設備と,優秀な技術者が検査にあたったとしても,検査材料の採取法が適当でなく,また検体を採取してから検査をはじめるまでの保存が適当でなかったら,出る結果についての信頼性は,いちじるしく低下するであろう。検査の結果は,材料のとりかた,検査のための実験技術,実験を行なう環境,さらに検査をはじめるまでの材料の保存法といった,いろいろの要因のつみかさねによって,影響をうけるものである。しかし,主治医は,結果の報告をうける時,このような条件のことは知らない。それで,納得のいかない結果の出た時,しばしば検査室の技術者にクレームが持ちこまれがちである。ここで,検査のための実験が行なわれる以前の,結果に影響をおよぼす要因について,考えてみたい。
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