研究
ジアゾニウム塩による血清GOT活性の簡易測定法
永井 諄爾
1
,
那須 倫子
1
,
宮崎 純子
1
1九州大学医学部附属病院中央検査部
pp.478-479
発行日 1966年5月15日
Published Date 1966/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917042
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血清トランスアミナーゼ測定法として,現在広く使われているReitman-Frankel法1)は,確かに簡便であって日常的臨床検査に適してはいるが,その反面,欠点がないでもない。すなわちその基質組成において,アミノ酸とα-ケトグルタル酸との濃度比が100:1になっていることは,酵素力学のうえから不合理である。またその検量線が直線でないことは,定量を不正確にする1つの原因になりうる。しかし,たとえばGOTにおいて,α-ケトグルタル酸の濃度をアスパラギン酸のそれに接近させるならば,生成したオキザロ酢酸と残存するα-ケトグルタル酸との,2,4-ジニトロフェニルヒドラゾンによる分別定量が因難となる。
1958年KalnitskyとTapley2)がp-nitroanilinediazoniurn chlorideとオキザロ酢酸とが特異的に反応して,formazan色素を作ることを利用して,オキザロ酢酸の比色定量法を考案した。これを基礎にして1962年にBabsonら3)は図1に示すようなジアゾニウム塩のうち,6-benzamido-4-methoxy-m-toluidine diazoniumchloride**によってオキザロ酢酸を定量し,これから血清GOT活性を測定する方法を発表した。
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