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血清ビリルビンの定量に適するジアゾニウム塩の条件
鈴木 優治
1
,
坂岸 良克
2
1埼玉県立衛生短期大学
2埼玉医科大学生化学
キーワード:
血清ビリルビン
,
ジアゾカップリング反応
,
ジアゾニウム塩
Keyword:
血清ビリルビン
,
ジアゾカップリング反応
,
ジアゾニウム塩
pp.1214-1215
発行日 1991年11月15日
Published Date 1991/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900773
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血清ビリルビンの定量法はスルファニル酸のジアゾニウム塩をビリルビンのカップリング剤として用いるジアゾカップリング法が広く普及している.しかし,最近ではこの反応原理に基づく測定法にも測定にまつわる種々の問題が生じている1).ビリルビンのカップリング剤となるジアゾニウム塩は多数存在すると考えられるが,臨床検査領域ではなぜスルファニル酸のジアゾニウム塩が選定されているかの理由は明確ではない.いずれにしても,血清ビリルビンの定量をより正確に行うためには,ビリルビンのジアゾカップリング反応についての基礎的な検討が必須であり,血清ビリルビンの定量に適するジアゾニウム塩の選定が多数のジアゾニウム塩を用いて行われた2,3).その結果は次のように要約される.
まず,ビリルビンのカップリング剤として用いるジアゾニウム塩は芳香族第一アミンのジアゾ化で速やかに生成するものでなければならない.ジアゾ化に時間がかかる芳香族第一アミンでは,調製後のジアゾニウム塩溶液中に亜硝酸ナトリウムと塩酸との反応で生成した亜硝酸が残存する.この物質は一部の血清ビリルビンをビリベルジンに酸化し,ビリルビンの正確な定量を妨害する2).
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