研究
ジアゾニウム塩によるGOT測定法(Trans-Ac)の使用経験
野本 昭三
1
NOMOTO SHOZO
1
1信州大学付属病院中央検査部
pp.65-69
発行日 1964年1月15日
Published Date 1964/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916715
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はじめに
近年心および肝臓疾患の診断治療に当って血清トランスアミナーゼの測定は,もはやかくことのできない臨床検査の一つとなりつつある。
トランスアミナーゼの測定には,検圧計による法,濾紙クロマトグラフィーによる法などが行なわれていたが操作が複雑なためその臨床的意義の重要性にもかかわらず一般には普及されるに至らなかった。1955年Karmenによって紫外部分光光電光度法1)が紹介され,本法が比較的実施しやすく充分な信頼性を有しているため急速に臨床検査に取りいれられるようになった。続いて1957年Reitman-Frankel (R-F法)によってより手軽な比色法2)が紹介されるに及んで一般に広く実施されるようになり,ことに高価な紫外部分光光電光度計の普及の遅れているわが国においてはもっぱらこのR-F法が行なわれている現状である。
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