特集 血液検査の問題点
1 巻頭言
渡辺 漸
1
1元広島大原医研所
pp.859-860
発行日 1968年12月1日
Published Date 1968/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916534
- 有料閲覧
- 文献概要
血液検査の特集にあたって
本年4月に,徳島市で,三好和夫教授が会長として主宰された第30回目本血液学会総会に際して,"血液学標準値設定へのアプローチ"という標題で,4月10日の夜にシンポジウムがもたれたが,昼のプログラムがびっしりと詰まっており,したがって,その進行もすこし遅れ,その間休む暇もなかったにもかかわらず,このシンポジウムへの聴衆は会場に溢れる盛況で,いかにこの領域の問題への関心が大きいものであるかを,如実に認めざるをえなかった。
しかも聴衆のなかには,日常,血液学的諸検査に携わっていると思われる技術者の方々が少なくなく,終始,熱心に傾聴されたのは注目すべき事がらであった。そのさい,参加された天木一太・日大助教授のお骨折りにより,その内容を,さらに臨床検査の立場からの視野に絞り,あるいは,さらに懇切な解説を加えて,臨床検査に従事する方々に広く理解を深めていただく意味で,この企画がなされたことは,前述のシンポジウムを司会した小生としては望外の喜びである。すでに,シンポジウムの席上その必要であることを痛感したのであるが,かくもすみやかに具体化されようとは思い及ぼなかった。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.