特集 血液検査の問題点
2 血液検査器具の選び方
大隅 彰
1
1東京医大・第1内科
pp.861-867
発行日 1968年12月1日
Published Date 1968/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916535
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日常検査としての血液形態学的検査は,その操作の点で多少の煩雑さと,また熟練度による個人的誤差をまぬかれない欠点がないではないが,時代の趨勢とともに臨床検査の迅速化が要求されるにつれ,各種の自動血球計算器1,2)や光電比色計による血色素定量,超高速遠沈によるヘマトクリット法などが導入されるようになり,検査のスピード化ばかりでなく,正確度・再現性の増加とともに個人的誤差の僅少化および検体の微量化などが計られている。
また自動血球計算器に特定の操作を加えることによって,血小板数,ヘマトクリット値,赤血球直経,MCVなどの測定すら可能な時代となった。先進諸国における自動血球計算器,光霊比色計などの普及は目ざましいが,本邦では遺憾ながら,まだ大規模な医療機関においてのみ使用されている現状であり,したがって従来の血液検査器具を用いる場合,その選択にはじゅうぶんな注意が必要であるとともに,ある程度の熟練度の養成も要求されねばならない。
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