Ex Laboratorio Clinico・42
無ハプトグロビン血症—特に家系内発生例を中心に
松友 啓典
1
1岐阜大学・第1内科
pp.684-690
発行日 1980年6月15日
Published Date 1980/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915491
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ハプトグロビンの研究の概要
血色素尿症を起こさせるとき,静脈内に注入する血色素量は各種の疾患で異なる1)ことが1915年ごろに知られていた.その後フランスのJayle2)ら(1938年)によって,血清中のヘモグロビン(Hb)と不可逆的に結合してペルオキシダーゼ活性を示す物質が存在することが認められ,それがハブトグロビン(Hp)と名付けられた.更にこの物質には二つの型が存在することが示され,その一つはネフローゼの患者の尿から分離され(Ⅱ型),もう一つはヒトの血清から分離された(Ⅰ型).それぞれの分子量は85,000,169,000くらいと算定され,Ⅰ型はⅡ型のHpがダィマーの形になったものであると報告されていたが,この方面の研究は当時このあたりまでで,余り発展していない.
1955年Smithies3)のデンプンゲル電気泳動法の開発によって,この分野の研究はにわかに進展し,さきのJayleらが報告していたモノマー型とダイマー型は,Smithies分類によると1-1型と2-2型のHpに相当することが分かった.本邦におけるHpの調査報告は1958年4)ごろから行われている.
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