今月の主題 血漿蛋白
技術解説
ハプトグロビン
大城 孟
1
Takeshi OHSHIRO
1
1大阪大学医学部第2外科
pp.764-776
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911588
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ハプトグロビン(haptoglobin;Hp)は1938年Polonovski1)らによりヘモグロビン(hemoglobin;Hb)のペルオキシダーゼ活性を増強させる蛋白として発見されたが,この蛋白はHbと特異的に結合しHp-Hb複合体を形成する特性を持つところから,ハプトグロビン(ヘモグロビンと結合するハプテン)と命名された.このHpが臨床的に興味を持たれだしたのは,1957年Laurell2)らが溶血性疾患で容易に減少・消失することを指摘してからである.しかしその後はあまり注目されることもなく,今日に至った.その理由は,血清HPが検出されない無Hp血症患者が臨床的になんら異常を示さず,健康人とまったく変わらない日常生活を営むところから,この蛋白の臨床的意義がよくわからなかったからである.
しかし最近になり,血清Hp値は①肝疾患,②溶血性疾患,③炎症性疾患などの病態の程度を知る一指標になりうることがわかり,この蛋白はようやく臨床医の興味を引くようになってきた.そして二,三の施設では,疾患の推移を知るために血清Hpの定量を中検レベルで測定するようになった.
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