新しいキットの紹介
免疫拡散法によるサイロキシン結合グロブリンの測定とラジオイムノアッセイとの比較
小豆沢 瑞夫
1
,
三木 哲郎
1
,
中谷 清美
2
,
網野 信行
2
,
宮井 潔
2
,
熊原 雄一
1
1大阪大学第4内科
2大阪大学中央臨床検査部
pp.1071-1072
発行日 1979年10月15日
Published Date 1979/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915230
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
サイロキシン結合グロブリン(以下TBG)は血清中の甲状腺ホルモン結合蛋白のうち最も重要なものである.血中甲状腺ホルモン(T4,T3)は大部分がTBGに結合しており,わずかに遊離T4,遊離T3が甲状腺ホルモンとしての生物学的作用を発揮すると考えられている.血清TBG濃度は遺伝学的支配や,TBG産生臓器である肝の実質的障害,性ホルモンなどにより変動する.臨床検査で測定されるT4,T3は総T4,総T3であり,TBG結合及び非結合(遊離)両者を含んでいる.これは甲状腺機能により変動するが,結合蛋白(TBG)の変動によっても変動する.したがって甲状腺機能を正しく評価するにはTBGによるT4,T3の増減を補正して遊離T4,遊離T3を推測する必要がある.
TBG濃度は従来,131I-T3レジン摂取率やTBG飽和度の測定による間接的な方法によって概測されてきたが,最近TBG濃度を直接測定する方法が開発され注目されている1〜3).今回,我々は免疫拡散法によるTBG測定キットを試用する機会を得たので,RIAによる測定結果4)と比較検討を行った.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.