技術解説
羊水からの細胞診断
北村 吉宗
1
,
松本 雅彦
1
,
須川 佶
1
1大阪市立大学産科婦人科
pp.12-19
発行日 1978年1月15日
Published Date 1978/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914632
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羊水から直接胎児情報を得ようとする試みはRh不適合妊娠の際の胎児管理,あるいは胎児成熟度の判定などを目的として始められた.そして羊水に浮遊する細胞に着目し,その性染色質を調べることにより胎児性の判定が可能であることが示された(Fuchs&Riis,1956.Makowski,1956).
羊水細胞の培養に成功したのは1961年Fuchs&Philipであり,胎児染色体分析の可能性を呈示した.そしてついに1966年,Steele&Bregらにより羊水からの染色体分析が成功した.このときの成功率は62例中12例(18%)であった.その後培養方法や培養条件に改良がなされ,Nadler&Gerbie1)は163例中155例(95%)という高い成功率をあげるに至った.
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