今月の主題 遺伝
技術解説
羊水診断
北村 吉宗
1
,
松本 雅彦
2
,
荻田 幸雄
3
1大阪市立母子センター検査科
2大阪市立母子センター産婦人科
3大阪市立大学・産科婦人科
pp.1613-1619
発行日 1980年12月15日
Published Date 1980/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915671
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
羊水中に浮遊する細胞(羊水細胞)は胎児由来の剥離細胞であるので,この羊水細胞を分析することによって,胎児の染色体異常や先天性代謝異常を出生前に診断することが可能である.このような遺伝性疾患の"出生前診断"は"羊水診断","胎児診断"などとも呼ばれ,我が国においても広く臨床レベルで行われる段階になっている.
当初,これら診断の基礎となる羊水細胞の培養及びこれに引き続く各種分析法は極めて困難なものとされていた.しかし,最近では手法の改良とともに容易に行われるようになってきており,今後ますますこの分野の発展が期待されている.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.