助産婦事典
羊水検査からわかること—羊水情報
鈴木 秋悦
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.218-221
発行日 1975年4月25日
Published Date 1975/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204843
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1.はじめに
最近,胎児に関する学問は胎児学(フェトロジー)と呼ばれ,「出生前の医学」の進歩とあいまって強い関心がもたれてきている。それと同時に,胎児情報をできるだけ早くキャッチして,母体にとっても胎児にとっても,より安全な周産期を経過することができるようにと,種々な胎児診断手技が考案され,実際に臨床上でも広く応用されてきている。
胎児情報は,母体を介する間接情報と胎児よりの直接情報とに分けられる。その中で羊水からの情報は,羊水の理学的,生化学的,細胞学的ならびに染色体学的検討を通じて,間接的に胎児環境をつかむ有力な手段ということができる。
羊水の検査法としては,羊水鏡検査,羊水の生化学的検査法,羊水の細胞学的検査法などがあるが,先ず,これらの検査法について簡単に説明したい(表1)。
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