特集 ちょっと気になる妊婦・胎児
胎児編:妊娠中後期超音波検査
羊水
鷹野 真由実
1,2
,
立原 茉優
1,2
,
中田 雅彦
1,2
TAKANO Mayumi
1,2
,
TACHIHARA Mayu
1,2
,
NAKATA Masahiko
1,2
1東邦大学医学部産科婦人科学講座
2東邦大学医療センター大森病院産婦人科
pp.641-645
発行日 2025年5月10日
Published Date 2025/5/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002162
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はじめに
羊水は羊膜腔を満たす液体であり,胎児にとって臍帯圧迫や外的侵襲からの保護,肺や消化管の発達,湿潤環境の保持といったさまざまな役割を担っている。羊水は産生と吸収により適切な量が維持されており,妊娠中期以降の主な産生源は胎児尿であり,主な吸収源は胎児の嚥下である。羊水の異常はさまざまな周産期合併症の一つの所見となり,児の健常性の指標ともなるため,妊娠管理において重要なパラメータとなる。通常の妊婦超音波検査において,羊水はルーティーンで評価する項目の一つであるが,ちょっとした異常や所見に対してどのように対応すべきか頭を悩ませることは多い。

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