技術解説
Holzer法とその重染色
國田 五重
1
,
高屋 豪瑩
2
1東京都監察医務院
2弘前大学・脳研病理
pp.6-11
発行日 1978年1月15日
Published Date 1978/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914631
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線維性星状神経膠の反応状態を染める方法の一つにHolzer法1〜3)がある.しかし膠原線維をも共染することからMalloryのPhosphotungusticAcid Hematoxylin (PTAH)法4)が採用されることもある.前者は,染色後主として肉眼的に判断するのに好部合な方法として取り上げられてきたのに対し,後者のPTAH法は星状神経膠の正常及び腫瘍化した場合にも染めうる方法として採用されている5).特に神経疾患において反応状態にある線維性星状神経膠の出現は,枚挙にいとまがないだけにパラフィン切片中にHolzer法によって特に染め出すことが数多くの情報を提供することになる.一方,髄鞘の低形成あるいは脱髄との関係,夏に軟化病変の現存するときなどでは貪食細胞あるいはHortega細胞の出現が見られるので,この方面の検討も必要になる.そこでそれぞれの神経要素である髄鞘では従来から用いられてきたLuxol Fast Blue (LFB)6)を,貪食細胞あるいはHortega細胞にはPeriodic Acid Schiff(PAS)法などで個別に染めてきた.以上の方法を用いて一度にそれぞれの方法が同一標本内に採用されると理論上,それぞれが同時に染め出せる状態になることは,多病変の相互の関連を見いだす状態になると思われる.
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