技術解説
CEAの測定法
西 信三
1
1北海道大学・第1生化学
pp.22-25
発行日 1977年1月15日
Published Date 1977/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914234
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腫瘍の産生する物質を患者の体液に検出し診断に供することが,現在数種の腫瘍で行われている.肝癌や悪性奇形腫におけるαフェトプロティン,ミエローマにおけるMタンパク,絨毛腫瘍におけるゴナドトロピンなどがその例である.
CEA (Carcinoembryonic antigen)は1965年Goldにより発見された,結腸癌ないし他の消化器癌には存在するが正常組織には存在しない,分子量20万程度の糖タンパクである.このタンパクは胎生初期の胎児消化管にも認められたため上記の名称が与えられた.彼らは患者の血中にもこのタンパクが出現し,それをRadioimmu-noassay (RIA)で検出することは大腸癌の特異的診断法であるとし注目を集めた.追試が広く行われたが,その結果,大腸癌では血中にCEAが高率にしかも高濃度にCEAが存在することは確認されたが,その特異性については異なる結果が得られた.現在行われているRIAでは血中CEAの増加は大腸癌のみならず他の消化器癌および他の臓器より発生した癌,更には二,三の良性疾患でも起こることが認められている.
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