今月の主題 精神疾患をめぐる臨床検査
技術解説
髄液中の神経伝達物質
中村 重信
1
Shigenobu NAKAMURA
1
1京都大学医学部神経内科学教室
キーワード:
髄液
,
神経伝達物質
,
アセチルコリン・エステレース
,
ホモバニリン酸
,
メチオニン・エンケファリン
Keyword:
髄液
,
神経伝達物質
,
アセチルコリン・エステレース
,
ホモバニリン酸
,
メチオニン・エンケファリン
pp.1731-1736
発行日 1989年12月15日
Published Date 1989/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914206
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患者の腰椎穿針を行い,得られた髄液を用いて,神経伝達に関連する物質の検索が行われている.アルツハイマー型痴呆患者の髄液ではアセチルコリン・エステレース,ドパミン—β—水酸化酵素活性が低下し,5—HIAA,ソマトスタチン,バゾプレッシン濃度が減少する.病的泣き・笑いを呈する脳血管障害患者では髄液HVA濃度が低下し,L-DOPA投与により症状の改善をみることがある.髄液神経伝達物質の検索が治療の指針となることがある.
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