今月の主題 造血器腫瘍の新しい検査
技術解説
TdT活性の測定
佐々木 龍平
1
Ryuhei SASAKI
1
1自治医科大学血液内科
キーワード:
terminal deoxynucteotidyl transferase(TdT)
,
生化学的測定法
,
蛍光抗体法
,
免疫ペルオキシダーゼ法
,
急性リンパ性白血病(ALL)
Keyword:
terminal deoxynucteotidyl transferase(TdT)
,
生化学的測定法
,
蛍光抗体法
,
免疫ペルオキシダーゼ法
,
急性リンパ性白血病(ALL)
pp.369-373
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913947
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ターミナル デオキシヌクレオチジル トランスフェラーゼ(terminal deoxynucleotidyl transferase;TdT)は,胸腺,骨髄リンパ球の一部に局在するDNAポリメラーゼである.それ故,未熟リンパ球に特異的なマーカーとして急性リンパ性白血病と急性骨髄性白血病の鑑別診断,慢性骨髄性白血病のリンパ性急性転化の診断,未分化白血病や,mixed type leukemiaの診断に利用されている.TdTの測定法はアイソトープを用いる生化学的測定法と,特異的抗体を用いる免疫学的検出法との2つに大別される.さらに後者は蛍光標識抗体を用いる蛍光抗体法や,ペルオキシダーゼ標識抗体を用いる免疫ペルオキシダーゼ法などに分類される.免疫学的検出法は,生化学的測定法にくらべて検出感度は高いが非特異的な反応も増強するため,TdTの存在を確認するには両者を併用することが必要である.
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