今月の主題 造血器腫瘍の新しい検査
技術解説
Fucosyltransferase活性の測定
須田 啓一
1
,
坂本 忍
2
Keiichi SUDA
1
,
Shinobu SAKAMOTO
2
1栃木県立がんセンター内科
2自治医科大学内科
キーワード:
fucosyltransferase (FT)
,
急性白血病
,
悪性リンパ腫
,
多発性骨髄腫
,
等電点電気泳動像
Keyword:
fucosyltransferase (FT)
,
急性白血病
,
悪性リンパ腫
,
多発性骨髄腫
,
等電点電気泳動像
pp.375-380
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913948
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Fucosyltransferase (FT)は6炭糖の1種であるフコースをGDP—フコースより受容体に転移し,糖蛋白,糖脂質などの糖類の合成にかかわる酵素である.FT活性は種々の癌患者血清中で上昇しており,治療により正常化することが知られている.血液疾患においても急性白血病,悪性リンパ腫,多発性骨髄腫などで患者血清中のFT活性が上昇しており,寛解に入ると正常化し病態を反映していることがわかってきた.また,FTの等電点電気泳動像は白血病細胞に用いた場合,骨髄性白血病とリンパ性白血病の鑑別に使えることがわかってきた.
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