今月の主題 血中薬物濃度測定法の進歩
技術解説
向精神薬—特に躁病,うつ病治療薬
多田 昭博
1
,
全田 浩
1
Akihiro TADA
1
,
Hiroshi ZENDA
1
1信州大学医学部附属病院薬剤部薬品試験室
pp.1473-1477
発行日 1988年11月15日
Published Date 1988/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913831
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躁病治療薬,炭酸リチウムの血中濃度モニタリングは,わが国で初めて特定薬剤治療管理料が認定されたように,その治療域の狭さ,中毒作用の重篤さより治療上欠くことのできないものとなっている.リチウム塩の測定は炎光光度法,原子吸光法で行い,一般的治療域として,服用後12時間の採血において0.6〜1.2mEq/lとなるように投与量を設定する.リチウム血中濃度に影響を与える要因として腎機能,ナトリウム摂取量,サイアザイド系利尿薬などがある.三環系抗うつ薬の血中濃度測定も,特定薬剤治療管理料が認定されたことより,今後多くの施設で行われるようになるであろうが,血中濃度と治療効果の関係についても明確でない点が残り,今後の進展に注意しながら臨床応用する必要がある.
訂正とお詫び
本誌,32巻12号(11月号),1473〜1477ページ,技術解説「向精神薬—特に躁病,うつ病治療薬」の中に"三環系抗うつ薬の血中濃度測定に対し特定薬剤治療管理料が認定された"と記載されていますが,これは誤りでありまだ認定を受けておりません.ここに,訂正してお詫びいたします. 「臨床検査」編集室
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