Japanese
English
短報
Olanzapineが奏効した躁病の1症例
A Case of Mania Effectively Treated with Olanzapine
都甲 崇
1,2
,
井関 栄三
2
,
加瀬 昭彦
1
,
内門 大丈
2
,
勝瀬 大海
2
,
小阪 憲司
2
Takashi TOGO
1,2
,
Eizo ISEKI
2
,
Akihiko KASE
1
,
Hirotake UCHIKADO
2
,
Omi KATSUSE
2
,
Kenji KOSAKA
2
1横浜舞岡病院
2横浜市立大学医学部精神医学教室
1Yokohama Maioka Hospital
2Department of Psychiatry, Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
Olanzapine
,
Mania
,
Bipolar disorder
,
Lithium
,
Valproate
Keyword:
Olanzapine
,
Mania
,
Bipolar disorder
,
Lithium
,
Valproate
pp.183-186
発行日 2003年2月15日
Published Date 2003/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100641
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
Olanzapineは,ドパミンD2受容体拮抗作用に加えて,強力なセロトニン5-HT2A受容体拮抗作用を含むさまざまな受容体への作用を有することから,定型抗精神病薬と比較して,幅広い臨床症状に対する効果を示す。米国では,olanzapineは,まず統合失調症治療薬として1996年にFDAに承認されたが,その後の臨床試験によって躁病に対する効果も確認され,双極I型障害における急性躁病の治療薬としても2000年に承認された。しかし,わが国では,保険適用上の問題もあり,我々が知るかぎり,躁病に対してolanzapineが有効であったとする報告はない。今回我々は,双極I型障害の躁病に対してlithiumのみでは十分な効果が得られず,他の抗躁作用を有する薬剤の使用が困難であったためにolanzapineを追加し,奏効した1症例を経験したので報告し,さらに躁病に対するolanzapineの効果について文献的考察を加えた。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.