Japanese
English
短報
うつ病相と躁病相に一致して口部不随意運動が出現した躁うつ病の1例
A Case of Manic-depressive Illness with Oral Dyskinesia, that Occurred in Depressive and Manic States
森 則夫
1,2
,
小薗江 浩一
1
,
鈴木 勝昭
1
,
岩田 泰秀
1
Norio MORI
1,2
,
Kouichi OSONOE
1
,
Katsuaki SUZUKI
1
,
Yasuhide IWATA
1
1福島県立医科大学神経精神科
2現,浜松医科大学精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Fukushima Medical College
2Department of Psychiatry, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
Oral dyskinesia
,
Manic-depressive illness
,
Aging
Keyword:
Oral dyskinesia
,
Manic-depressive illness
,
Aging
pp.635-637
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904118
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口部不随意運動は様々な病態のもとで出現する。よく知られているのは抗精神病薬の慢性投与による遅発性ジスキネジアと,加齢に伴う,いわゆる老人性ジスキネジアである1,3,5,6)。この2つは症候学的にはほぼ同一であり,一般に精神的緊張で増強し,発語,咀しゃくなどの随意運動時に軽減することが知られている1)。先に大月ら4)は,うつ病相にほぼ一致して口部不随意運動が増悪,寛解を繰り返す退行期うつ病の3例を報告した。筆者らが調べえた範囲では,その後,同様の報告はみられていない。我々はうつ病相のみならず,躁病相にも,ほぼそれらに一致して口部不随意運動が出現した躁うつ病の老年女性例を経験したので若干の考察を加えて報告する。
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