注目される腫瘍マーカー・6
腫瘍の増殖因子とレセプター
清水 信義
1
Nobuyoshi SHIMIZU
1
1慶応義塾大学医学部分子生物学教室
pp.1590-1594
発行日 1987年12月15日
Published Date 1987/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913533
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はじめに
EGF (上皮増殖因子)やPDGF (血小板由来増殖因子)などのポリペプチド性増殖因子は,細胞表面のレセプターに結合して生化学的シグナルを誘導し,細胞の増殖や分化を調節している(図1)1).癌細胞や癌組織は,このような増殖因子を自から産生して自己増殖系(autocrine)をなしている,というメカニズムが,最近注目されている2),また,レセプターの異常発現と腫瘍の悪性度との関係も示唆されている3).
本稿では,腫瘍マーカーとしての応用が期待される二,三の例について概説する.
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