今月の主題 医用オプチクス
検査と疾患その動きと考え方126
胃癌と電子内視鏡—画像処理の試み
郡 大裕
1
,
鈴木 邦夫
1
,
加藤 卓次
1
,
多田 利男
1
,
野村 元積
1
,
伊藤 重二
1
,
大滝 美恵
1
,
中永 昌夫
1
,
佐藤 富貴子
1
,
得田 彰
1
,
道鎮 正規
1
,
松村 賢
1
,
藤木 典生
1
,
大滝 秀穂
2
Yoshihiro KOHLI
1
,
Kunio SUZUKI
1
,
Takuji KATO
1
,
Toshio TADA
1
,
Motozumi NOMURA
1
,
Shigeji ITOH
1
,
Yoshie OHTAKI
1
,
Masao NAKANAGA
1
,
Fukiko SATOH
1
,
Akira TOKUDA
1
,
Masanori DOHCHIN
1
,
Masaru MATSUMURA
1
,
Norio FUJIKI
1
,
Hideo OHTAKI
2
1福井医科大学第2内科学教室
2大滝胃腸科病院
pp.961-966
発行日 1987年9月15日
Published Date 1987/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913406
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
胃の内視鏡検査法は1868年にKussmaulの硬性胃鏡に始まり,SchindlerやWolfによる軟性胃鏡を経て,本邦における胃カメラへと発展してきた.胃カメラは,その柔軟可撓性と,先端カメラ方式の写真撮影装置を具備していることから,胃内を幅広く撮影できるようになり,内視鏡検査を普及させる引き金となった.その後1957年にHirschowitzらによって,new gastroscopeとしてグラスファイバースコープが開発され,ついで本邦で改良されたファイバースコープが作られ,胃内を隈なく観察できるようになった.さらには,生検鉗子孔が具備されるに及び,目的部位の直視下生検や種々の内視鏡的治療法も考案され,胃の内視鏡は診断面ばかりでなく,内視鏡治療面でもその後飛躍的に発展したことは周知のとおりである.
1983年,米国Welch-Allyn社は,内視鏡先端部に"電子の眼"ともいうべき超小型撮像素子であるCCD (charge coupled device)を内蔵した新しい映像伝導システムを開発し,翌年にはClassenら1),Matekら2)やSivakら3)によって相ついでその臨床報告がなされ,従来のファイバースコープと比較してその特徴や問題点が指摘された.1985年には本邦でも,富士光学,東芝一町田,オリンパスの各社から同様の映像伝導システムが開発・試作された.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.