技術講座 病理
検体の処理法・7—電子顕微鏡
宮本 博泰
1
1東京医歯大中央顕微鏡室
pp.68-69
発行日 1974年10月1日
Published Date 1974/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200602
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病理組織の電子顕微鏡試料は,主に超薄切片法によって作製される.この方法は光学顕微鏡の試料作製法とプロセスが非常によく似ており,いずれも組織の固定に始まって脱水,包埋,薄切,染色を経て検鏡試料となる.しかし両者の大きな相違点は,光顕がたかだか1,500倍ぐらいの拡大で0.2μ以上の微細構造を観察の対象としているのに対して,電顕では15万倍以上に拡大して20Å(0.002μ)に達する超微細構造を観察の対象にする.そこで当然のことながら電顕試料では,光顕試料の1/100の超微細構造が保存されているような試料作製法が考えられてきた.
この作製法の詳細については成書を参考にしていただいて,ここでは作製法のアウトラインと,臨床病理の検索材料の取り扱いについて述べてみたい.
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