今月の主題 医用オプチクス
総説
医用オプトエレクトロニクス
菊地 眞
1
Makoto KIKUCHI
1
1防衛医科大学校医用電子工学講座
pp.952-960
発行日 1987年9月15日
Published Date 1987/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913405
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◆オプティクスとオプトエレクトロニクス
最近,光技術という言葉をよく耳にする.昔から光を使った技術は数えきれないほどあり,今さらといった感がしないでもない.とくに臨床検査に日頃携っている読者なら,細菌や微生物検査が光学顕微鏡の発明なくしては始まりえなかったことをよく承知しているはずだし,また現在ではそのほとんどがオートアナライザーで検査可能な血液生化学分析においても各種酵素などにより発色させた後に比色法により検量していることを知っているはずである.このように,古くから理化学技術や機器の中には光技術を用いたものが多いが,とくに最近では,顕微鏡やカメラといったいわゆる古典的な光学技術・器械のほかに,新しい光技術が数多く誕生している.
同じカメラの場合でも,撮影結果をフィルムに写し出すなら光学機械といったイメージがそのままあてはまるが,一方,テレビカメラやビデオカメラとなると,光情報が電子情報に交換され,そのほとんどがむしろ電子技術によって構成されていると言っても過言でない.すなわち,最近の光学(オプティクス)は,進歩の著しい電子工学と結合してその能力を一段と拡げており,これらを総称してオプトエレクトロニクスと呼ぶことが多い.
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