特集 先端技術と臨床検査
Ⅰ画像診断
2高性能画像解析法の病理検査への導入
吉見 直己
1
,
丹羽 憲司
1
,
日野 晃紹
2
,
高橋 正宜
1
Naoki YOSHIMI
1
,
Kenji NIWA
1
,
Akitsugu HINO
2
,
Masayoshi TAKAHASHI
1
1岐阜大学医学部第一病理学講座
2岐阜大学医学部第一外科教室
pp.1183-1188
発行日 1986年11月1日
Published Date 1986/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913114
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●はじめに
病院検査部の臨床病理部門では,生化学部門での自動分析装置のごとき機械化・省力化の方向は,コンピューター導入による検査伝票・報告書などの事務的事項に限られている.これも,単に病理検査が組織形態学を主眼とした診断者の経験を第一とするためである.
しかし,近年,電子工学・光学工学の発展により細胞生物学への定量計測学が注目され,病理学分野にも応用されつつある.これには二つの方法論があり,一つは他稿で述べられるフローサイトメトリー1)であり,一つは本稿の示す顕微鏡を介する画像解析2)および顕微測光法3)である.ともにコンピューターで大量のデータを瞬時に解析し,保存可能であるエレクトロニクスの発展の所産であり,従来のやや主観的に陥りやすい病理診断に定量性を拠り所とする客観性を導入しようとするものである.
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