資料
2種のEIA法によるHBs抗原検出の比較検討—スクリーニング検査としての導入にあたり
富樫 和枝
1
,
山田 恵子
1
,
石口 重子
1
,
野口 幸子
1
,
小島 秀男
1
,
品田 章二
1
1新潟大学医学部附属病院輸血部
pp.1843-1846
発行日 1985年12月15日
Published Date 1985/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912841
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はじめに
輸血後B型肝炎の頻度はHBs抗原検索を輸血用血液のスクリーニング検査として導入することで著明に減少した.そのため近年の輸血後肝炎の約90%は非A非B型(NANB)肝炎ウイルスによるとされている.しかし,輸血用血液からHBs抗原陽性血液を除外しているにもかかわらず,輸血後肝炎の約10%はB型であり完全に予防できない状況にある1).感染を防止できなかった原因として,緊急輸血に際してHBs抗原チェックが間に合わなかったこと,あるいは検査限界などが挙げられている.
一方,輸血後B型肝炎の頻度は減少しているが,輸血後のB型肝炎に重症化例が目だつようになってきた.その背景に現行のRPHA法による検索2)では陰性を示しながら,高感度の検出能を有するRIA法で検索し直すとHBs抗原陽性の血液を輸血された場合に重症化する傾向がうかがえる3〜6).
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