特集 産業医学と臨床検査
Ⅱ.有害因子と臨床検査
2 化学的因子
5 カドミウム
村上 正孝
1
Masataka MURAKAMI
1
1筑波大学社会医学系
pp.1364-1372
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912371
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□カドミウム(Cd)の代謝と障害
1.金属としての性質
原子番号48,原子量112.4,天然には亜鉛鉱物に伴って少量産出する.融点320.9℃,沸点765.0℃で亜鉛と化学的によく似た性質をもち,空気中では酸化膜で保護され,青味を帯びた銀白色の,光沢のある金属である.希硝酸,熱塩酸,熱硫酸には溶けるが,アルカリ溶液には溶けない.一般にカドミウム塩は耐食性に富むためメッキとして用いられ,合金の成分によく使われる.
分析は原子吸光分析が主であるが,発光分光分析,吸光光度定量法,放射化分析法も用いられる.
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